離婚前提。クールな社長と契約妻のとろ甘新婚生活
でも、あの剣幕の怒りを鎮めるなんてできるのかな……。
なんともいえず不安になる。
「百々花は心配しなくて大丈夫だ。俺が責任をもってきちんと収める」
当然のように言う千景には、憂いをまったく感じない。それよりもむしろ自信に満ち溢れたいつもの様子そのままだ。
「もしも百々花がひとりのときに彼女がまた来たら、そのときは応対しないほうがいい。インターフォンにも応答しないほうがいいだろう」
「わかりました」
深くうなずくと、千景は手を伸ばして百々花の頭を撫でた。意表をついて触れられドキッとするが、千景はいたって普通の表情だ。〝よくできました〟といったニュアンスだろう。
「せっかくお祝いの夜なのに悪かったな」
「いえ、大丈夫です」
千景がなんとかすると言っているのだ。余計な心配は無用だろう。
「よし、飲もう」