離婚前提。クールな社長と契約妻のとろ甘新婚生活
耳がカーッと熱くなる。恥ずかしさを隠したくて、ソーダ水を一気に飲み干した。それこそ挙動不審だ。本当にどうかしている。
あれから千景は寝る前のキスを欠かさなくなった。百々花の気のせいでなければ、唇を重ねている時間はじわりじわりと伸びている。
表面をなぞるだけ。触れるだけのキスなのに、そこに意思が込められているような錯覚をして惑う。
千景は百々花の希望に沿った行動をしているだけ。それ以上に発展すると行きすぎだから、キスのラインで留めているのだろう。
頭ではそれがわかっているのに、どうしてこんなにも心が乱されるのか。
その答えを知ったらいけない気がして、揺れる想いを必死に立てなおした。