離婚前提。クールな社長と契約妻のとろ甘新婚生活

◇◇◇◇◇

愛華と別れて店へ戻った百々花は、例のフェアの企画書を手に店長の皆川に声をかけた。皆川は奥のスタッフルームにひとつだけあるデスクで、パソコンに向かっているところだ。


「皆川さん、シュプリームウエディングのフェアの件なんですが」
「進捗状況はどう?」
「はい。フェア事務局の方や流川社長にも企画書やラフ画を見ていただいて、大まかなところはオッケーをいただいています」


シュプリームウエディングの本社に直接足を運んだのは昨日。事務局リーダーの田原は別のミーティングに出席中で会えなかったが、千景に渡した資料でチェックをしてもらっていた。そのまま進めてほしいと田原から連絡があったのは、今日の午前中のこと。


「さすが神谷さんだな」
「いえいえ、細かな修正指示もありましたから」


いくつかのグリーンや小物の配置は、今朝の田原からの電話で変更要請がきている。それでも大筋で了承をもらったうえ楽しみにしていると多大なる期待をされ、じつは少し気後れもしているのだけれど。


「若干の変更はありますが、現段階ではこういったイメージで進めています」

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