離婚前提。クールな社長と契約妻のとろ甘新婚生活
「それであの……」
「もしかして、昨夜のことを覚えてない?」
ゆっくりと口を開いた百々花に千景が意味深に問いかける。
「……はい、すみません」
百々花は千景を知ってはいるが、酔って彼の部屋に転がり込むほどの仲ではない。
「俺たち、結婚したんだけど」
百々花の目が点になる。
けっ……こん……?
朝を迎えてもなお、アルコールが悪さをしているのか。百々花の耳と脳のコンビが、千景の言葉を勝手に変換したようだ。
「聞いてる?」
百々花が固まったままでいると、千景はテーブルに身を乗り出して確認した。
「ごめんなさい。変なふうに聞こえちゃって。結婚、とかって」