離婚前提。クールな社長と契約妻のとろ甘新婚生活

少しとろんとした目をまたたかせ、頬を上気させる。普段きっちりとした彼女との違いが千景の心をくすぐった。


「もしよろしかったら、お隣どうぞ」


友人といるところを邪魔するつもりはなく、挨拶だけで離れて座ろうと考えていたが、そう言われれば遠慮は必要ないだろう。
千景は「じゃ、そうさせてもらうよ」と百々花の隣に腰掛けた。

バーテンダーにグラッドアイを注文し、ひと息ついたところで百々花の友人が彼女越しに声をかけてくる。


「流川さん、よかったら百々花と結婚してもらえませんか?」


あまりにも唐突なうえ突拍子のない言葉に、さすがの千景も目が点だ。


「ちょっと愛華! いきなりなにを……!」


身を乗りだし、百々花は友人を押さえた。


「すみません、流川さん」
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