いきなり婚─目覚めたら人の妻?!─
そんなことを考えながら財布の中身を確認して、バッグを手に玄関のドアを開けると、目の前に安藤部長が立っていて、今まさにチャイムを鳴らそうと手を伸ばしていた。
真正面から見つめ合うような格好になり、昨日キスされたことを鮮明に思い出してうろたえてしまう。
「あっ……」
うっかり『安藤部長』と言いそうになったことに気付きあわてて口ごもると、安藤部長は少し気まずそうに「おう」と呟いて軽く右手をあげた。
「お早いお着きで……」
「少し早いかと思ったけど暇だったから。家を出る前に連絡するの忘れてた、悪いな」
私が買い物に出掛けるのがもう少し早ければ入れ違いになって、安藤部長はドアの前で待ちぼうけを食うはめになっていただろう。
そうならなくて良かったとホッとする。
「で、真央はこれから出掛けるのか?」
「買い物に行くところだったんです」
「そうか。じゃあちょうどいいから一緒に行こう」
「えっ、一緒にですか?」
スーパーへ一緒に買い物に行くのは、私たちが夫婦であることを世間に公表しているようで、ちょっと……いや、かなり照れくさい気がする。
真正面から見つめ合うような格好になり、昨日キスされたことを鮮明に思い出してうろたえてしまう。
「あっ……」
うっかり『安藤部長』と言いそうになったことに気付きあわてて口ごもると、安藤部長は少し気まずそうに「おう」と呟いて軽く右手をあげた。
「お早いお着きで……」
「少し早いかと思ったけど暇だったから。家を出る前に連絡するの忘れてた、悪いな」
私が買い物に出掛けるのがもう少し早ければ入れ違いになって、安藤部長はドアの前で待ちぼうけを食うはめになっていただろう。
そうならなくて良かったとホッとする。
「で、真央はこれから出掛けるのか?」
「買い物に行くところだったんです」
「そうか。じゃあちょうどいいから一緒に行こう」
「えっ、一緒にですか?」
スーパーへ一緒に買い物に行くのは、私たちが夫婦であることを世間に公表しているようで、ちょっと……いや、かなり照れくさい気がする。