いきなり婚─目覚めたら人の妻?!─
「真央、我慢しないで声聞かせてよ」

「恥ずかしいです……。それにこの部屋、壁が薄いし……」

私の恍惚に喘ぐ声が、創さんだけではなく、安いアパートの薄い壁越しに隣人の耳に聞こえてしまうのは、死ぬほど恥ずかしい。

「そっか。真央の可愛い声、俺以外のヤツには絶対聞かせたくないな」

「か、可愛いって、そんな……」

「めちゃくちゃ可愛いよ。真央が可愛すぎてちょっと激しくしちゃうかも知れないけど……今夜だけは声、我慢して」

創さんは私の腰を引き寄せて、キスをしながら熱く火照った体を繋げた。

体の奥の深いところを掻き回され、何度も突き上げられて、激しく揺さぶられながら必死で声をこらえる。

それから私は、初めて経験する抗えないほどの快感に導かれて昇り詰め、創さんの背中にしがみついて果てた。

すべてが終わると、創さんは私の体を抱きしめて、「真央、愛してる。これからいっぱい愛し合おうな」と、耳元でいたずらっぽく囁いた。

あんなに乱れたのは初めてだったし、改めてそんなことを言われると、いまさらながら急激に恥ずかしさが込み上げる。

「創さん……すっごくやらしい……」

「まぁ、そうだな。否定はしない」

否定しないんだ……。

それだけ自信を持って言えると言うことは、相当の手練れなんだと思う。

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