いきなり婚─目覚めたら人の妻?!─
これは一粒何百円もするような、高級なチョコなのでは?

あまりの美しさに、食べてしまうのがもったいないくらいだ。

「未来はいつも一人でこっそりこんなもの食べてるのか?」

創さんが少し呆れた顔をして呟くと、未来さんは笑いながらアーモンドの乗ったチョコを一粒つまみ上げた。

「たまにはいいでしょ?大人だって頑張ったときにはごほうびが欲しいの!さぁ、遠慮なく食べて。いい案が浮かばないときは甘いものでも食べて気分転換よ!」

「それもそうか。じゃあ遠慮なく」

創さんも少し和らいだ表情で、オレンジピールのあしらわれたチョコを手に取る。

「真央ちゃんもどうぞ」

「はい、いただきます」

私は小さな赤い実の乗ったチョコを選んだ。

「あんまり甘くないのはどれ?」

「雅也は甘いのあんまり好きじゃないもんね。雅也にはビターチョコがいいかな」

池崎課長は未来さんに勧められたビターチョコを手に取る。

未来さんのおかげで、さっきまで重苦しかった空気が一転した。

本当に未来さんはすごい。



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