キミに伝えたい愛がある。
そんなことを繰り返していたからだろう。


私は忘年会当日、座った途端に緊張し出して冷や汗が全身から吹き出ていた。


昔から治らないこの現象をなんとかして治めたいなんて思いながらも、目はずっと左右に動いていた。


でも誰も社長っぽい感じの人はいないし、そもそも本部の全社員は20人程度しかいないのだから、座る場所でだいたい分かってしまうはずだ。


お誕生日席も、その右隣も空いている。


つまりまだ来ていないのだ。


一体いつ来るんだろう。



「すみません、今社長から連絡があって少々遅れるらしいです!」


「じゃあ、始めましょう」



飲んべえの秋山さんが音頭を取り、会が始まった。


私は下戸だからあまり飲まずに大人しくしていた。


飲めると言いながらも早々に酒に飲まれてしまった秋山さんは私の横で顔を真っ赤にして寝そべっていた。



「秋山さん毎回こうなんだよね。こんなのが辞めるまで続くけど許してね」


「そんな、お気になさらずに。私、秋山さんに着いていくので」


「愛宮さん、優しいね。そのままの愛宮さんでいてね」



などと齋藤さんが言ってくれた。


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