キミに伝えたい愛がある。
「大丈夫ですか?」



私はその声に導かれるように顔を上げた。



―――うそ...。



私は言葉を失い、頭が真っ白になった。


目の前にいるのは...


私が会いたいと思いながらも会うことを諦め、


あの日酷い別れ方をしてずっとずっと後悔していた、


りっくんだった。



「ちー...やっと会えたね」



りっくんはそういうと、人目を憚らず、私を抱き上げ、お手洗いの前まで連れて行ってくれた。


吐き気なんかよりもりっくんとの再会に気が移り、知らぬ間に治まっていた。


お手洗いから出ると、心配そうに齋藤さんが立っていた。



「大丈夫?私二次会行かないから送っていくよ」


「ありがとうございます...」



視線を奥に移すと、りっくんはあのお誕生日席に座りながらも、すごく恐縮な様子だった。



「そうそう。あの人が次期社長の速水さん」


「知ってます...」


「えっ?誰かから紹介された?」


「私の...幼なじみなんです」



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