キミに伝えたい愛がある。
「最後ハッピーエンドで良かったよな」


「当たり前じゃん。あの2人が結ばれないわけないよ」


「そういえばちーさ、途中2人が別れを決断するシーンでめっちゃ泣いてたよな?」


「いいじゃん別に。あれで泣かない方がおかしい」


「悪いって言ってないよ。そういうところが可愛いよ~って意味」


「からかってるでしょ。りっくんは私のことバカにしすぎだよ。絶対下に見てる」



なんて話しているうちに自然と並んで歩いていた。


思い返して見れば、りっくんと並んで歩いたことってあんまりない。


小学生の時は3人で、中学生になるとみんなバラバラの部活で、めぐちゃんとは一緒に帰っても、バスケ部だったりっくんとは一緒に帰ることは無かった。


しかもモテモテだったりっくんはカノジョを絶やすことがなかったから、私の出る幕はなかったというわけだ。


今後もこういう時はないだろうし、りっくんの隣はめぐちゃんであってほしいと心から願っているから、今回は希少価値の高いツーショットだ。


キューピッド役として、ここは自然の流れで聞いてみようか。


りっくんの熱弁に相槌を打ちながらタイミングを見計る。



「でさ、最後に結婚だろ?王道だけど、見守っていた側としてはめっちゃ嬉しいよな!」


「まあまあ、それはそうなんだけど、一旦それは置いといて...」


「置いといてってなんだよ!」



不機嫌を露にする、りっくん。


しかし、構ってなどいられない。


私は私のすべきことをする。


大切な幼なじみのために。



「りっくんはさ、そのぉ...すぅ、すぅ、好きな人...とかぁ、いたり...する?」


「何?ちー俺のこと...」


「違う違う!そうじゃなくて、クラスの人に聞いてって頼まれたから聞いたの!」


「ひっでえな。全力否定かよ。ま、ちーのそういうとこ、嫌いじゃないよ」


「私のことはどうでもいいから、早く答えて」



私がそういうと、りっくんは立ち止まった。


私もびっくりして慌てて急停止する。


私、何かまずいこと言っちゃったかな?



「俺のこと好きなヤツって誰?」


「えっとぉ...それはそのぉ...」


「俺さ、人をパシりに使うヤツ嫌いなんだよね。自分で聞けないヤツに人を好きになる資格ないって思ってるし」


「でも、答えたっていいんじゃないかな?そんな答え辛いこと聞いてるんじゃないんだし」


「じゃあさ...」



りっくんが私の肩を掴む。



「ちーが俺の質問に答えたら答える」



そう来たか。



「ちーは青木空の告白にイエスと答えた。マルかバツか」



マルバツで来るとは予想外。


りっくんは徐々に顔を近づけてくる。


追い詰められる私。


答えるしか逃げ道はないのだ。



「...マル」



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