キミに伝えたい愛がある。
音楽室のある3階ではなく、1階から生徒が立ち入れそうな場所を探した。
昇降口、トイレ、保健室、各教室を見たけどどこにもなかった。
2階に上り、同じように一部屋ずつ確認したけどやっぱり無かった。
3階は練習中だから行けないし、そもそもあまり関わっていない1年生が盗む理由なんてない。
さてと、あとはゴミ置き場か。
今日盗んだならどこかにあるはず。
燃えるゴミを1つ1つ開けるしかないか。
そう思って1階に下り、廊下を歩いていると、
「よっ」
りっくんと会ってしまった。
「どうしたんだよ浮かない顔して。大丈夫か?」
りっくんには話しちゃいけないと本能的に思った。
「ちー、どうした?」
「なんでもない。大丈夫だから」
「ぜんっぜん、大丈夫じゃないだろ。部活はどうしたんだよ?みんな練習してるのに、さぼり?」
帰ろう。
探すのは止めよう。
りっくんに勘繰られるのもやだし、迷惑をかけるのも嫌だ。
帰って練習するしかない。
「私帰るね」
ダッシュで教室に向かい、リュックに教科書やノートを詰め込んだ。
さっさと帰って譜読みし直さないと。
こんなので落ち込んでいられない。
いつまでも探してたってしょうがない。
無いものはないんだから。
自業自得なんだから。
しかし、出ようとするとりっくんがドアを塞いでいた。
もう片方から出ようとしても、りっくんのことだから追いかけて来て、捕まえてしまうだろう。
ならば、口で負かすしかない。
勝算はないけど、挑もう。
「帰るからそこどけて」
「どかない」
「私だって調子悪い時があるの。お願いだから、早く帰らせて」
「調子悪いなら、送ってく。途中まで一緒だし」
やっぱりそうなるか。
なら...。
「そういうの、迷惑。子どもじゃないんだから、1人で帰れる。早くどいて」
「どかないっていってんじゃん。ちーも良く知ってると思うけど、俺頑固だから」
「なら、その性格を直してください」
「直してもいいけど、俺だけ直すってフェアじゃないよな?ちーにも直してもらわないと」
何を言っても効果なし。
りっくん、強すぎる。
この分じゃいつまでも帰れない。
「直すって何を?」
りっくんが腰をかがめて顔を覗き込む。
整った美しい顔。
魅惑的な漆黒の瞳に見つめられると、胸がドキドキしてくる。
「そういう、素直じゃないとこ」
「えっ?」
ふっと笑ってから、りっくんは道を開けた。
「帰りたいなら帰りな。邪魔しないから」
「えっと、そのぉ...」
こんなに素直に道を譲る人じゃないことくらい分かっている。
りっくん、何か企んでいるな。
それが分かれば私の勝ちなんだけど、私は毎回分からないのだ。
そして毎回、りっくんの思う壺。
「りっくん何か企んでるでしょ?」
「別になんにも。それより、さ、お帰りなさい」
不気味だ。
りっくんがこんな優しいはずない。
いっつも髪の毛をいじってきて人の悪口を平気で言うようなヤツなのに。
「どうしたんだよ。帰りたいんだろ?俺はどけましたから何も言われる筋合いない」
はぁ...。
やっぱり負けだ。
そういうことか。
「手伝ってください」
悔しいけど、負けは負け。
素直になるしかない。
「私の楽譜がなくなったの。だから探すのを手伝ってください...」
りっくんが私の頭を撫でる。
子ども扱いされてるって分かるのに、なぜだか心がぽかぽかしてくる。
「楽譜なら、もう見つけてる」
「えっ...?」
「ここじゃまずいから、ひとまず出よう。話はそのあと」
昇降口、トイレ、保健室、各教室を見たけどどこにもなかった。
2階に上り、同じように一部屋ずつ確認したけどやっぱり無かった。
3階は練習中だから行けないし、そもそもあまり関わっていない1年生が盗む理由なんてない。
さてと、あとはゴミ置き場か。
今日盗んだならどこかにあるはず。
燃えるゴミを1つ1つ開けるしかないか。
そう思って1階に下り、廊下を歩いていると、
「よっ」
りっくんと会ってしまった。
「どうしたんだよ浮かない顔して。大丈夫か?」
りっくんには話しちゃいけないと本能的に思った。
「ちー、どうした?」
「なんでもない。大丈夫だから」
「ぜんっぜん、大丈夫じゃないだろ。部活はどうしたんだよ?みんな練習してるのに、さぼり?」
帰ろう。
探すのは止めよう。
りっくんに勘繰られるのもやだし、迷惑をかけるのも嫌だ。
帰って練習するしかない。
「私帰るね」
ダッシュで教室に向かい、リュックに教科書やノートを詰め込んだ。
さっさと帰って譜読みし直さないと。
こんなので落ち込んでいられない。
いつまでも探してたってしょうがない。
無いものはないんだから。
自業自得なんだから。
しかし、出ようとするとりっくんがドアを塞いでいた。
もう片方から出ようとしても、りっくんのことだから追いかけて来て、捕まえてしまうだろう。
ならば、口で負かすしかない。
勝算はないけど、挑もう。
「帰るからそこどけて」
「どかない」
「私だって調子悪い時があるの。お願いだから、早く帰らせて」
「調子悪いなら、送ってく。途中まで一緒だし」
やっぱりそうなるか。
なら...。
「そういうの、迷惑。子どもじゃないんだから、1人で帰れる。早くどいて」
「どかないっていってんじゃん。ちーも良く知ってると思うけど、俺頑固だから」
「なら、その性格を直してください」
「直してもいいけど、俺だけ直すってフェアじゃないよな?ちーにも直してもらわないと」
何を言っても効果なし。
りっくん、強すぎる。
この分じゃいつまでも帰れない。
「直すって何を?」
りっくんが腰をかがめて顔を覗き込む。
整った美しい顔。
魅惑的な漆黒の瞳に見つめられると、胸がドキドキしてくる。
「そういう、素直じゃないとこ」
「えっ?」
ふっと笑ってから、りっくんは道を開けた。
「帰りたいなら帰りな。邪魔しないから」
「えっと、そのぉ...」
こんなに素直に道を譲る人じゃないことくらい分かっている。
りっくん、何か企んでいるな。
それが分かれば私の勝ちなんだけど、私は毎回分からないのだ。
そして毎回、りっくんの思う壺。
「りっくん何か企んでるでしょ?」
「別になんにも。それより、さ、お帰りなさい」
不気味だ。
りっくんがこんな優しいはずない。
いっつも髪の毛をいじってきて人の悪口を平気で言うようなヤツなのに。
「どうしたんだよ。帰りたいんだろ?俺はどけましたから何も言われる筋合いない」
はぁ...。
やっぱり負けだ。
そういうことか。
「手伝ってください」
悔しいけど、負けは負け。
素直になるしかない。
「私の楽譜がなくなったの。だから探すのを手伝ってください...」
りっくんが私の頭を撫でる。
子ども扱いされてるって分かるのに、なぜだか心がぽかぽかしてくる。
「楽譜なら、もう見つけてる」
「えっ...?」
「ここじゃまずいから、ひとまず出よう。話はそのあと」