副社長の歪んだ求愛 〜契約婚約者の役、返上させてください〜
啓太さんが選んでくれたドレスに、啓太さんがプレゼントしてくれたネックレスと指輪をつけて、篠原さんと一緒に、パーティー会場であるホテルに来ていた。

「こんばんは、篠原さん」

早速声をかけられた。

「ああ、杉山社長。お久しぶりです」

「今晩は、ずいぶん綺麗な女性を連れてるねえ」

40代ぐらいの方だろうか。
なんだか、私に嫌な感じの視線を向けてくる。

「私の秘書の、佐山です」

「はじめまして。佐山美鈴と申します」

「美鈴さんかあ。いやあ、本当にお綺麗ですね。美鈴さん、この後上のバーでどうですか?」

「い、いえ。私は……」

「一杯ぐらいいいじゃない」

「いえ……」

「杉山さん、すみません。佐山には婚約者がいるので」

篠原さんが、割り込んでくれた。

「そうか……でも、一緒に飲むぐらい……」

「いえいえ。この後、婚約者の方も来ますので。すみませんが、他の方をお誘いしてあげてください」

「そうか、残念だ。美鈴さん、次に会った時は付き合ってくださいね」

杉山さんは、そう言い残して去っていった。

「美鈴ちゃん、あの人女たらしで有名だから気を付けてね」

「は、はい」

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