副社長の歪んだ求愛 〜契約婚約者の役、返上させてください〜
毎日を忙しくすごしているうちに、すっかりピアノへの想いは胸の奥にしまい込んでいた。
そして、〝東山啓太〟の名前を思い出すことはなくなっていった。

最後に見たのは、9歳の発表会の時。
確か……彼は大学生だったと思う。
大学生の男性でも、まだピアノを続けていることが、なんだか珍しい気がしていた。

スーツを着てピアノを弾く姿は、すごくかっこよくて、その整った容姿もあって、まるで王子様のように見えた。







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