副社長の歪んだ求愛 〜契約婚約者の役、返上させてください〜
「東山様。本日はご来店くださってありがとうございます。お席へご案内いたします」

あらかじめ予約してあったようで、私たちは個室に案内された。
窓から見える夜景はとても綺麗で、思わず足を止めてしまった。

「綺麗……」

「気に入ってくれましたか?」

「ええ」

「気のすむまで、ゆっくり眺めてください」

「あっ、いえ」

あまりにも場慣れしていない自分が、恥ずかしくなってしまう。


「ワインは飲みますか?」

「いえ」

「遠慮しなくても大丈夫ですよ」

「アルコールはあまり強くないので、やめておきます」

「そうですか。お料理は任せてもらってもいいですか?」

「はい。お願いします」



注文すませ、何を話せばいいのか狼狽えそうになったものの、その心配はいらなかった。
東山さんがリードしてくれて、気まずくならないように、いろいろ話をしてくれた。
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