三月はいなくなる子が多いから
帰りのHRが終わり、
いつものグループで集まっている時だった。

先生を中心に、クラスの目立つグループが集まっていた。
これは新学期からずっと続く見慣れた光景だ。

「麻依ちゃん、そろそろ帰ろっか」

2年生になってから仲良くしているグループは、
良くも悪くも目立たない、
私には居心地のよいものだった。

まとめ役の子がそう合図を出すと、
私たちは帰ろうとした。

その時だった。


「おい! 平野、ちょっと待ってくれないか?」
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