白い便箋を太陽に翳してみれば・・
季節が秋になった夜は、少しだけ肌寒く感じる。
日差しを浴びた明るい朝とは違って、夜は暗く静かだ。

なんだか落ち着くなぁ~。
今のあたしにはぴったりだよ。
このまま夜がずっと続けばいいのに・・。

そう思った時、後ろから・・

タッタッタッタッタ・・!!

え・・?
誰か走って来る。
急に恐怖に襲われるあたし・・。
勇気を振り絞って、あたしは後ろを振り返った。

・・なんで・・?
そこには息を切らしたカズキがいたから。

「ハァハァ・・急にごめん、花恵・・」
「どうしてカズキがいるの?」
「ちょっと花恵に用があってさ・・」

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