白い便箋を太陽に翳してみれば・・
いつか自分が今よりも、もっと大人になった時、「こんな瞬間もあったね」って、
笑って言えるように・・。
そう願いながら・・。

あたしは、想い出を引き出しの中にしまい込んだ。



時は過ぎて、あたしは高校3年生になった。
3年生にもなると、進路のこととかで色々忙しくなってくる。
そして、今もそう・・。

「じゃー今から進路希望調査票を配るぞー。とりあえず第3希望まで書いておくように。期限は一週間後だぞ!お家の人ともよーく話し合ってから決めてくるよーにな!」

淡々と喋る担任の先生は、きっと他人事だと思ってるにちがいない・・。
まぁ、実際そうなんだけど。
あたしは、手元に配られた進路希望調査票に目を通した。

どうしよう・・。
将来の夢か・・。
なりたいと思う職業がないんだよな・・。

「ねー由美。由美は進路どうするの?」
あたしは、隣の席の由美に聞いてみた。
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