白い便箋を太陽に翳してみれば・・
「いいのいいの!実際あの人に会ったって今さら何話していいか分かんないし・・。きっと、あたしのこと飽きちゃったんじゃないかな?あははっ・・あたしってほんとダメだよねー。だからさ、もういいんだ!」
「俺はまだ悔しいよ。力になってやれなくてごめん。花恵、俺応援しってから。なんかあったらさ、いつでも話聞くし」
「ありがとうカズキ」
「おう」

そう言って、カズキは少し悲しそうに笑った。
「じゃーまたねカズキ!」
「またな」
そしてあたし達は別れた。

あたしは、再び歩き出した。
家に帰ったあたしは、すぐに自分の机に座った。

そしてあたしは、「ある物」をゆっくり外した。
今でも変わらず、あの頃のように光輝いていた。
それをあたしは、引き出しの中に入れた。

捨てようか迷ったけど、あたしはあえて捨てようとはしなかった。
未練とか・・そういうものではなくて、
あたしは人生において生きていく、これからのたった一瞬にしか過ぎないあの頃の時間をあ、想い出として残しておきたかった。

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