白い便箋を太陽に翳してみれば・・
最後にデザートでパフェを食べている時に美香が、
「花恵って進路どうするの?」
そう聞いてきた。

「正直今やりたいことがないんだよね・・」
「そっか・・。あたしね、学校の先生になりたいんだ。それで高校卒業したら東京に行こうと思ってるの。もしよかったら花恵も行ってみる?そこでやりたいこと見つけてみたら?ってね・・あははっ」

もしよかったら花恵も行ってみる?
想像もしていなかった東京。

美香は、前から勉強を教えるのが上手で、あたしもよく美香に分からないところを聞いたりしていた。
だからあたしが中1の時に、美香の家で宿題をやっている時、「美香って学校の先生に向いてるよ」って言ったことがあった。
今は、その夢に向かって頑張ってるんだね。

美香に、東京行く?って誘われた時、最初はびっくりしたけど、もう決めたよ。

「あたしも行く」

不思議とその言葉に迷いはなかった。
きっとここにいても、親に心配かけちゃうだろうし、一つの「けじめ」として、また新しい一歩を踏み出せるかもしれないって思ったから。

そして、東京で自分のやりたいことを見つけよう、そう思った。
< 136 / 350 >

この作品をシェア

pagetop