白い便箋を太陽に翳してみれば・・
「え?!ほんとに言ってるの?」
「うん。ほんとだよ」

美香は予想もしていなかったあたしの返事にとても驚いていた。

だけど、

「なんかその顔じゃ本気みたいだね。花恵、一緒に頑張ろうね」

美香は、優しい笑みでそっと笑いかけた。

そんな些細なことが今のあたしにとっては、すごく勇気づけられた。

それから美香と沢山話した後、あたし達は帰路に着いた。



3年の夏は、意外にも早く通り過ぎていった。

そして、季節は秋になった。

嫌でも何かと記憶が蘇ってきてしまうこの季節は、あたしにとって苦痛を与える。
そして、今でも胸が締め付けられるんだ。
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