白い便箋を太陽に翳してみれば・・

母さんの本当のことを知った今でも、海には何かしら俺の感情を支配してしまう。
俺と母さんの唯一の想い出の場所は、ここしかないのに・・それでも俺を捨てた場所でもあるここは、あの日を嫌でも想い出し色んな感情が入り乱れていく。

もしかしたら俺は、自分の気持ちに強がっていただけかもしんねぇーな・・。
それから俺達は、しばらく海で遊んだ。
大切な人と一緒に居られるだけで、こんなにも幸せな気持ちになれるなんて、人生捨てたもんじゃねぇーな・・。
って、俺が言える立場じゃねぇーけど・・。

でも、そういう気持ちを知れただけでも俺はじゅうぶんだから・・。
俺は、自分の拳を強く握りしめた。

そして、最後に・・。

俺は、大切なお前にどうしても伝えておきたいことがあるんだ。

「いつも、ありがとな・・」

そして、ごめん・・。

この言葉は、届かない想いを心の中で呟く。