白い便箋を太陽に翳してみれば・・

「そんなことないわ。迷惑かけるだなんて、そんなの当たり前のことよ。私だって沢山お父さんに迷惑かけてしまったものよ。花恵はね、流星くんがいなくなった時も、口には出さなかったけど、ずっと流星くんのことを想っていたのよ。流星くんだったから花恵は、本気の恋を経験して色んな気持ちを知ることが出来たんじゃないかしら。花恵が選んだ人ですもの。とっても心が優しい人だったのね」

そう言った花恵のお母さんは、俺に優しい笑みを浮かべた。

「俺・・花恵のことをちゃんと信じてあげられなかったんです。だけど、花恵が俺に言ってくれたんです。あたしは、そんな簡単に流星の前からいなくなったりなんかしないって。あたしが傍にいるからって。それ聞いた時、ほんとに俺はバカだなって思いました。ちゃんと俺のこと見ていてくれる人がいたのに。花恵はすごいっすよ。花恵に出逢えて本当によかったです」

「ありがとう。花恵をそこまでちゃんと見ていてくれて。二人ならきっと、何があっても大丈夫ね。流星くん、花恵を好きになってくれてありがとう」

目に少しの涙を潤ませながら、花恵のお母さんはそう言った。

「そう言えば、ご飯すっげー美味しかったです。前に花恵がクリスマスの時に、ご飯作ってくれたんすよ。花恵のお母さんの味と同じでした。なんていうか・・温かくて優しい味っていうか・・」