白い便箋を太陽に翳してみれば・・
「そんなこと言ってもらえるなんてすごく嬉しいわ。花恵、前までは料理なんて全然しなかったのに、流星を喜ばせるんだってもう張り切っちゃって。花恵は相当、流星くんのことが好きなのね」

「あ、このことは花恵には内緒ね」そう言いながらクスクス笑う花恵のお母さん。
そして、しばらく二人で話をしていた時だった。

「流星!お風呂上がったよ!」

そう言って、リビングに顔を出した花恵。

「わかった」

俺もお風呂の準備をしようと立ち上がる前に、花恵のお母さんにどうしても伝えておきたかった言葉を言う。

「花恵のお母さん。花恵を産んでくれてありがとうございました」

花恵のお母さんは、頬に涙を浮かべながら優しい笑みで頷いた。

「ねぇ、お母さんと何話してたの?」

花恵は、不思議そうにそんなことを聞く。
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