白い便箋を太陽に翳してみれば・・
そこに一人の男の子が現れた。

小学校1年生くらいの男の子。

その子は俺を見て「パパ」って言ったんだ。

俺は、しゃがみ込んで男の子に問いかける。

「ここどこか知ってる?」

男の子は何も言わずに、ただ優しく微笑んでから俺の手を引いて歩き出した。
すると今度は、白い服を着たひげを生やしたおじいさんに会った。

俺は、おじいさんに頭を下げた。
おじいさんは、男の子と同じようにただ微笑むだけだった。

「あなたは今、大切な人がいますね?」

突然、そんなことを言うおじいさん。
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