悔しいけど好き
「あ、同期のあの二人が話してるの聞いて…。誘ったけど来なかった―って。ねえ、合コンぐらい行ってもいいんだよ?これからもいろいろと出合いはあるだろうし私一人に絞らなくっても…」

「凪!お前たまにそうやって俺を突き放そうとするとこあるよね?なんで?俺は凪がいい凪が好きなの!」

私の両肩をがっちり掴んで言い聞かせる鷹臣は真剣で私を想っていてくれてることが痛いほどわかる。
でも、鷹臣はいい男だしモテ男だし将来を期待された出世頭だし、いろんな女性が言い寄ってくるに違いない。
荒川さんのような美人に今回は勝てたけどこの先どんな強敵が現れるか分からないし、これからの長い人生を私だけに愛情を注いでくれるとは限らない。
要するに私はいつか鷹臣に愛想を尽かされ別れを切り出されるのが怖いのだ。

今ならまだ傷は浅い。
その時が来てやっぱり私と鷹臣の運命は繋がってなかったと納得できると思ってる私は甘いだろうか?

「ごめん、お風呂入る。出てって」

「凪…」

鷹臣を追い出し一人湯船に浸かってまた考える。
私がなぜこんなに不安になるのかは正木部長の話を聞いてから。


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