悔しいけど好き
恋愛もしっかり仕事と分けて会社には持ち込まないようにしている。
のめり込みやすい質の凪には頭の切り替えが必要だ。
今はバランスが保たれていい状態だし、俺も充実してる。
小さな喧嘩はあってもすぐに仲直りもするし大事にしてるつもりだ。

俺がヘマして凪が危険に晒されたことに自分自身に憤りを感じているときでも凪は俺を許し自分が悪いと、俺を責めずに優しいことを言う。
そんな凪に俺は感動を覚え最高の彼女だと改めて思う。

凪の本心がどこにあるのか聞くのが怖くてあの、周ってやつのことは聞けずじまいだが、凪がやつのことを思い出してる様子もない。
俺が好きだと言ってくれる凪を信じたい。

絶対凪を悲しませたくないし離したくない。
だからどうか俺達のことで悩んでいてほしくない。
俺に不満があるなら直接言って欲しい。

悶々とそんなことを考え味気無い食事を済まし風呂に入りソファーに寝転ぶ。

まだ九時過ぎだ。ああ、凪早く帰って来ないかな。
凪がいないと俺は安心出来ない。
やっぱり俺は凪がいないと生きていけないかも…。
情けない自分に嘲笑して目を瞑る。

ふと今日会ったあの袴田専務を思い出した。
もし凪に何かしたらただじゃおかない。
専務を怒らせ首になっても凪を守る。
そう誓いを立て意識はスーっと遠くなった。

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