悔しいけど好き
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それから1カ月後…
少し残業をして帰ろうと廊下を歩いてると6人くらいの男女が和気あいあいと話していた。
こんな時間に何してんだ?と思いながらエレベーターを待ってると話し声が聞こえた。
「水木さんと小野山君結婚することが決まったんですって!」
「やっぱ噂は本当なんだな」
「これで3組目よ!」
「この資料室の噂本当なのね!」
「そんな噂に付き合わされてる俺たちもどうかしてるよなあ」
ハハハッと笑い合ってるのを、俺はギョッとしながら見てしまって思わず開いたエレベーターに乗り遅れそうになった。
慌てて矢印ボタンを連打し閉まりかけたドアが開き体を滑り込ませる。
廊下を見れば、一組の男女が資料室から出てきた所だった。
照れたような二人の仕草に中で仕事をしてたようには到底見えない。
顔を引きつらせているうちにエレベーターは閉まり降下していく。