悔しいけど好き
テーブルの上には美味しそうなご馳走がずらり。
私が帰ってくるから用意してくれたのだろう。
お父さんは赤ら顔でもう酔ってるみたい

「ほら、ばあちゃん！姉ちゃんが男つれて来たよ！嘘じゃないだろ？」

「ほんとだ、凪ちゃんいい男連れて来たねえ」

中3のまだまだガキな弟、湊斗(みなと)が横で小声で耳打ちしてるのをのんびりとした口調で同調するおばあちゃん。

「湊斗！聞こえてる！おばあちゃん久しぶり元気だった？」

「う～ん元気してるよ～。凪ちゃんも元気そうで何よりねえ」

にこやかなおばあちゃんにつられて隣に座ると鷹臣も会釈しておずおずと私の隣に座る。

「神城鷹臣と言います。すいません突然お邪魔して。凪さんとお付き合いさせていただいてます」

「お、おお、そうか。まあ、ゆっくりしていきなさい」

ここでも礼儀正しく挨拶した鷹臣にお父さんは目をぱちくりさせて畏まった。
お母さんがお酒を持ってきて鷹臣に進める。

「さあさ、凪が帰ってくるからたくさんご馳走作ったのよ、食べて？神城さんも遠慮なさらずどうぞ」

「すいません、美味しそうですね、頂きます」

にっこり笑う鷹臣にお母さんはちょっと嬉しそうにはにかんだ。

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