婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!
なのに、何故この人じゃなくて、私が婚約することになったんだろう。
私…何で、こんなに心が揺さぶられて、踊らされている感覚に陥っているんだろうか。
(………)
私の胸の奥で、真っ黒い感情が燻りだした。
いろんな方面の劣等感と嫉妬だ。
そして、その汚い感情は…溢れ出る。
「蓮華、おまえグイグイきてるな。ストレスでも溜まってる?」
「ストレス?竜樹の奥さんになる子と話したいだけよ。…ね?羅沙?」
「…私、竜王様とは結婚致しません」
「…え?」
隠していた事実を、感情に流されるまま思わず口にしてしまう。
二人のキョトンとした顔を目にして「あ、まずい…」と頭を抱えたくなった。
やはり、目の前の二人の顔がみるみると目を見開いた驚愕の表情へと変わっていく。
「え?結婚しない?…の?」
「そりゃどーいうこと?!」
しかし、一度口にしてしまったら、もう止められない。
「り、竜王様に婚約解消を申し出ました…わ、私は、竜王様と結婚する気はございません…」
「なっ、何でっ?!」