婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!
天帝様から申し付けられた護衛兵士さんは「はっ」と短く返事をして、速やかにこの場を去っていく。
って、え?は?…ちょっと!
今、竜王様を呼んでこいって…言ったよね?ね?
何で?何で?…どうしてそうなるの?!
ビックリして思わず護衛兵士さんの背中へと手を伸ばしてしまったが、届くワケもなく。
…あぁっ!
まさか。まさかのまさかで。
ここに竜王様が来てしまう?!
「な、な、な、何でっ!ど、どうしてですかっ?!…天帝様ぁっ!」
カッとなってしまった勢いで、思わず天帝様に対して声を荒げてしまう。
これにはさすがに関係ないヅラをしていたお兄様も「おい」と私を諌めようとしていた。
だが、今頃介入してきても遅い。
私の脳内は混乱祭だ。
「何でって?」
対する天帝様は私の様子に首を傾げている。
不敬罪かもしれませんが、これは反論せずにはいられなかった。
「なっ、何で竜王様をお呼びするんですか!こ、これで婚約解消ハイ終わり!でいいじゃないですかぁっ!」