婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!

言われた通りに、円筒のてっぺんにある金属の輪に指を引っ掛けて、手前に引っ張る。

プシュッと音がして、思わず「ひゃあ!」と声をあげてしまった。円筒のてっぺん、小さな穴が出現!

そして、シュワシュワと泡が出てきて…何これ!何これ!

「ひ、豹牙、何これ!わわわ!」

「ぶひゃひゃひゃ!」

豹牙が傍でお腹を抱えて笑っていたので、ムッとする。こうなるってわかってたの…!

「飲んでみ?飲んでみ?その穴に口つけて」

「え?これ、飲み物なの?」

「ビールとは麦酒のことだぞ?缶ビールは人間界の鉄板の酒じゃ」

「え!麦酒?!」

麦酒は知ってる。お兄様が西地方の貴族さんたちと作っていて、商品化もしてる。

言われた通りに慌てて口をつけて飲んだ。

グビッと一口。

「わ!わわ!…なんかあっさりしてる!飲みやすい!」

お酒ですが、あまりの飲みやすさ、軽さにグビグビと飲んでしまう。

「お、美味しい!…この軽さ、どうやって作ってるの?」

「随分豪快に飲むな?そういや、夜叉族は剣豪の一族であり、酒豪の一族でしたね…」

「人間もお酒飲むんだ!わぁー!」
< 194 / 440 >

この作品をシェア

pagetop