婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!

…もちろん、出立前にもう一回、お父様とおかあさまの墓前に手を合わせていく。

新たなる決意を添えて。



お父様、おかあさま。

羅沙には新しい目標が出来ました。

こんな曰く付きの子を愛情いっぱいに育ててくれた恩を返せるように。

立派な人に、立派なガーディアンになって、人々の役に立ちたいと思います。



「…お父さん、お母さん!…かっ、必ずや幸せにしたいと思いますのでっ!娘さんを僕に下さいぃっ!」

「………」



手を合わせる私の横で、豹牙も一緒に手を合わせていたが、何故か急に大声で叫び出した。



「ちょっと。墓前でふざけないでよ」

「だってこーいうシチュじゃね?一度やってみたかったんだぴょー」

「………」

お父様、おかあさま、これは冗談ですからね。くれぐれも本気にしないで下さい。




二星岱は本当に金剛鬼宮の裏にある。

数分歩けばあっという間に、我が家に到着した。

しかし、こんな早朝だし、よく考えたら…私は今、善見城にいることになっている。

お兄様を置いて、しかも豹牙を連れて何故帰ってきた?!

…だなんて、凪が騒ぎかねない。
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