婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!
ふと見ると、私の隣には布製の桶?みたいなものが置かれている。
中には桃色のフカフカした布が敷かれていて、ふわふわの枕も添えられていた。
何だろうと凝視していると、ぽめがとことこと歩いてきて、その上にぴょんと飛び乗った。
ひょっとして…。
「これ、ぽめの寝床なの?」
思わず疑問を口にすると、ぽめが「わん!」と答えてくれて、その狭い中を一周したのち座り、丸まって目を閉じる。
「それはぽめ専用の寝台だ。じゃあ電気消すぞー」
「うん、おやすみ」
ぽめの寝台の向こうに、豹牙もすでに寝袋を敷いて中に入っている。
「おやすみー」とランタンの電気を消して、テント内は暗くなった。
本日も一日終わり。
明日もまた、摩睺羅伽王領へと道を進める。どのぐらいで到着出来るだろうか。
そのために、本日はおやすみ。
ぽめを挟んで、私と豹牙は就寝につく。
まるで川の字だね。
(………)
えっと…。
…私はここで、ツッコミどころ満載すぎる違和感に気付いてしまった。
ぬくぬくとした寝袋の中で、ウトウトしてきていたのに、一瞬で眠気も覚めてしまう。