婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!
このまま進むしかないんだ。
「な、なのでっ、このまま戻ることは出来ませんっ…」
「………」
「り、竜王様…?」
「…あ、ご、ごめん」
話を続けているのだけど、今の竜王様、固まるどころか魂抜けていたような気がする。
私がこんなことを言い出すなんてあまりにも衝撃だったのだろうか。それとも私如きがバカなこと言ってるって呆れてるんだろうか。
こんなヘタレの私ですから、わかっちゃいるけど、どっちにしても傷付くなぁ。
勝手に導いた結論にしょんぼりしていると、向こうの方で豹牙が「ぶははは!」と笑っている。
ここ、笑うところなの?!だなんてちょっとムッとさせられる。
「羅沙ちゃんよー!…大事なコト忘れてんじゃねーの?!」
「え…」
そう言って、豹牙はますますニヤニヤと怪しい笑い顔となっていく。
大事なコトって何。と首を傾げる。
「ほらほら!昨日、竜王に謝罪するって言ってたろー!」
「あ…」
《いや…竜王様に、謝らなきゃならないよなぁ、って。…ほら、何も聞かずに逃げ出したから、たぶん怒ってるだろうなって》