婚約解消してきちゃいました？ヘタレ令嬢様のチートキャンプ！

26．ビッグネーム、稀代の悪女《後》

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「…って、知っとるわ。歴史の勉強か。親父と母さんからも武勇伝デンデンデデン♪みたいに毎日のように聞いとったわ」

豹牙の表情が無になっている。当人らから本当に嫌になるくらい聞かされたのだろう。



けど、ここまではみんなが知っている表舞台の話。

だが、この続きは表沙汰にしておらず、知る者はごく僅か。



「…話は、ここからだ」

「話長ぇな」

「だから、長くなるっつったろ！いいって言ったのおまえ！」

「えー」







話は歴史に戻る。

クーデター成功の暁に天帝の座に君臨した帝釈天は、四将軍を従え、逆賊となった先の天帝、阿修羅王、黒闇天女の所縁の者らの処分を下す。

天帝の親族…とは言っても、正妃は不敬で斬り捨てられ、後宮の妾もほぼ黒闇天女に喰われたが、子も含めて皆、忉利天内の天部衆の監視下に置かれる。…忉利天から出ることは許されずにほぼ軟禁状態。

阿修羅族に関しては、降伏宣言をし連合軍に寝返った舎脂の兄を新しい王にする事でお咎め無し。

ただ、黒闇天女は行方が知れず、その責任を親である鬼子母神に課した。



結果。

温情で見送っていた、三宝から授かった力を返還せよ。

との仰せだった。