婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!
『一族繁栄のためにらあの御方の優秀な遺伝子をひとつでも多く残さねばならない。…それもお分かりでしょうか』
『………』
声が出なかった。
だが、返事をせず無言で俯く私に白龍様は少しばかりか苛立ったのだろう。
『貴女自身【不貞の子】なのに、そこはご理解頂けませんか?』
冷たく投げ掛けられた言葉に、思わず顔を上げてしまう。
ここでも、その話が出てくるなんて…!
『しかし、羅沙様。これは不貞ではありませんよ?側妃も我々で迎えた立派な妻です。…それに、朱嘉様は王が王として即位する前から寵姫として愛でていた御方ですから』
『えっ…』
寵姫?…王になる前から?
そんなに長く…!
『ただ、火竜様の孫娘とはいえ、母親が平民の出、身分が相応でないので正妃になれないだけのことです。…しかし、何故竜王様は貴女を正妃として迎え入れたのか、理解に苦しみます』
驚きの新事実に加えて、白龍様は私に畳み掛けてくる。
あまりの心無い言葉に絶句していたが、白龍様は話を続けていた。
『…まあ、御友人の頼みとなれば断れなかったのでしょうか?』
『………』