婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!

…いやいや!それでこの男を許せるか?



「…許されないわ!豹牙が来てくれれば、少しは羅沙と会って話をする時間が取れたかもしれないのに!…羅沙が、婚約解消したいって言い出さなかったかもしれないのに!…おまえぇぇぇっ!」

「えー」



あっ!しまった…!

と、豹牙のキョトンとした驚愕の表情を目にして気付いた時には、もう遅い。

頭にきたとはいえ、俺はなんて女々しいことを言ってしまったんだ…!

後悔先に立たず、一時の感情に身を任せるべきではない。



すると、豹牙はフッと鼻で笑う。



「そぉいやさー。羅沙はおまえさんのことを大層勘違いしているようだけど…」

「か、勘違い?」

「奥様計三人のことだよ。…羅沙を正妃に、側妃二人?自分は政略結婚のお飾り妃だとか…何でそんなめんどーなことになっちゃってんの?何でわざわざ誤解もたらす政略結婚する?おまえさんから『アイラビュー!』って、わざわざ結婚を申し込まなかったのは、何故!」

「そ、それは…」

「YOU、言っちゃいな!YOU!」

「いちいちふざけるなよ」



…それは、この男に対する嫉妬心から、俺達の縁談の話が始まったのは言うまでもない。

いや、この男だけでなく。

全てのものに対する競争心と、独占欲から。







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