婚約解消してきちゃいました？ヘタレ令嬢様のチートキャンプ！

8．人間界ぐっずとガーディアン業

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「何だ何だおまえわ！素敵なおべべ着せてもらってよ？ひょっとして兄上の消しゴムコスコスパーリーに参加すんのか？わはは」

「え？けしごむ…？」



すると、お兄様が後ろから「天王」と呼び掛ける。

お兄様の存在にも気付いた豹牙は「おぉー！夜叉王ーっ！それに、毘沙門天と吉祥天！」と、度重なる登場に嬉しそうに手を振っていた。

お兄様はツラッと立っているが、毘沙門天様は恐縮して頭を下げている。



それもそのはず。

豹牙は、天子。

先代の天帝様の息子であり、現在の天帝様の弟なのだ。

そして、成人となった豹牙は、次期帝位継承権を持つという、天竜八部衆の『天王』の身分をも与えられている。

本来なら豹牙はだいぶ身分が上なので、私も敬意を払って頭を下げなきゃいけないんだけど、豹牙自身が敬語を使われたり、天子としての特別扱いを嫌がる。

なので、昔から仲良くしている私やお兄様、他の子は敬語は使わないが、毘沙門天様にとっては直属の上官天帝様の弟。

しかも毘沙門天は、豹牙が成人になるまで教育係として側仕えしていた。将軍様ともあろう御方が天子の側仕えなど異例なのだ。

先日まで主として仕えていた豹牙に、敬意を払わないのは流石に無理らしい。