婚約解消してきちゃいました?ヘタレ令嬢様のチートキャンプ!
「ところでこれは一体何だ」
無表情のお兄様が無愛想に、燃え盛る炎を指差す。
燃え盛る炎は案外規模の小さいものだったが、よく見ると、燃えていたものは薪だった。
そして、六角形の形をした銀の金属製の箱?でも、同じ素材の足が三本ついている。見たことないカタチの箱の上で燃えていたのだ。
これ…何?燭台?にしては、変なカタチ。
見たことのない物に、疑惑の眼差しを向けてしまう。でも、好奇心も否めず、まじまじと見てしまった。
吉祥天様も「すごいわねー」と、呑気に眺めている。
「おー。良いとこ気付いちゃったね!…うひひ。昨日ゲットしたばかりのファイヤーグリルを試していたところなのだよ、諸君!」
ふぁいやーぐりる?
何だか聞いたことのない物の名称が飛び出て、首を傾げてしまう。
だが、横にいるお兄様は「へー」と感心していた。
「焚き火台か。見たことない形だな」
「そうそう、ニューデザインやで?前から欲しかったの!俺最近頑張ってたから買ってもろたー!」