恋するオオカミ〜不器用だけと一途なんだよ!
~白波瀬杏side~

「杏。ナミ。ちょっといい?」

月曜日の朝、電車でナミと会って、そのまま登校してたら、学校の校門の前あたりで、後ろからまゆりがドンとわたしたちの間に割って入ってきた。

「あ、まゆりおはよ。」

「おはよ。どうしたの?」

まゆりの顔が月曜日の朝だというのに、ニコニコ笑っている。

「月曜朝の顔じゃないね。」

「ほんとだ。幸せそうな笑顔。」

わたしとナミは顔を見合わせた。

「うん。だってぇ。幸せだから。」

まゆりのきりっとした切れ長の目がデレッとさがる。

え?ほんとになんかいいことあったのだろうか?

「もしかして!益川くん?」

「ピンポーン!」

「うそっ!いつ?告ったの?」

「土曜日。思い切って遊園地誘っちゃってさ。それで、そこで告ったら…OKもらっちゃいましたぁ。」

「うわ。マジで?すごい!まゆり!」

そこまで言ってはじめて意味がわかったわたしは、思わずまゆりの手をとった。

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