恋するオオカミ〜不器用だけと一途なんだよ!
「まゆり。おめでとう。」

「ありがとう。杏。」

まゆりの顔が幸せに満ちている。
あー。いいなぁ。幸せなんだ。ほんとに。
恋するって…
そしてそれから両想いになるって…
さらに付き合うって…
すごいことなんだぁ…

「2人にはね。学校入る前に言っておきたくて。だって…クラスで大智と話すとき知っててくれた方がいいし。」

「うんうん。そのとおり。だね。」

まゆりの幸せそうな顔にわたしまで幸せそうな気分になる。

「ってことで。まぁわたしの話は置いといて…お二人さんは。どうよ?」

「え?」

「恋愛。どんなかんじ?」

「ああ…」

ナミがちょっと言いにくそうにわたしを見て、そして気まずそうに言った。

「実はさぁ。わたしいるんだぁ。カレシ。杏にはバレちゃって。」

「え?ちょっとそれ初耳…。」

そしたらそんないいところで、朝の予鈴が鳴り出した。

「うわ。やばい。続きは昼休みねっ。」

わたしたちは思い切り走った。
遅刻遅刻…
やばいやばい…


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