恋するオオカミ〜不器用だけと一途なんだよ!
ナミがやっぱこれだと言わんばかりに両手をあげる。

「杏ちゃんわかってる?どう見てもわたしたち第三者から見たら、高崎くんと杏ちゃんはただの幼馴染には見えなかったよ?」

「え?ってどう見えたの?」

「もちろん、カレカノ。」

「え?ないよ。それは。絶対。だって碧斗はわたしなんてタイプじゃないし、ずっと彼女切らしたことないし。」

「いやいやいや…。杏ちゃん!!!」

「はい!」

ナミの強い口調に思わず、背筋を伸ばして返事してしまった。

「男心。わかってなさすぎだよ。ちょっといい加減にしなよ。」

「は、はぁ。けど…」

反論しようとしたけどナミににらまれ、しゅんとなるわたし。

そんなんじゃないのにな。
碧斗はこのあいだまでわたしのこと下僕としか思ってなかったし、やっと昔みたいに笑えるようになっただけで…碧斗のタイプは綺麗な女子ばっかりだったし。わたしいみたいなどんくさい女子なんて相手にするわけないのに…。

「まぁ。わかったよ。杏にそういう男子がいたってこと。まぁ明石も不幸だけど…仕方ないよね。」

「そうだね。」

2人でわかったようなことを言って、またお箸を動かし始めた。

「食べよ。」

「うん。食べよ食べよ。」

そうだ。わたしも食べなきゃ。


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