恋するオオカミ〜不器用だけと一途なんだよ!


「杏。入るぞ。」

その日の夜、碧斗がわたしの部屋をノックした。

「あ、練習帰ったの?ごはん。あるよ。」

今日はおばさんが夜勤だからよろしくって朝、おばさんに頼まれていたし…
碧斗もフットサルの日はお腹空かせてるから、多めに作ってある。

「早いじゃん。アイツと出かけてたくせに…。」

碧斗がわたしの顔をマジマジと見てる。

「な、なに?なんかついてる?」

あんまりマジマジ見るもんだから…くすぐったくなる。
わたしは碧斗から視線を逸らすと下を向いた。

「いや…なんか…うん…別になんもない。飯…あるんだったらすぐ食いたい。腹減って死にそうだし…」

「う…ん。じゃ。作るね。」

碧斗は相変わらずモリモリ食べる。

ふふっ…
碧斗が食べてるところは…ほんと…好き…

前に座って自分も食べながら思わずニヤニヤしてしまってたらしい。

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