恋するオオカミ〜不器用だけと一途なんだよ!
「どした?」

碧斗とわたしのかばんを持って振り向いた。

「さっきの人って…?」

「え?ああ。美紗都(みさと)?」

美紗都って…名前で呼ぶの?
碧斗は今まで付き合ってた女子もみんな苗字でしが呼んでるの聞いたことない…

なのにもう名前?

「あいつさぁ。奇遇なんだけど、俺と同じ境遇みたいでさ。医師目指してるらしんだけど、美紗都も医師だった親父が事故で亡くなってて、親父みたいになりたいんだと。で、俺とおんなじで東都医科大学行きたいんだって。」

医師?
めざす?
碧斗と…同じ?

碧斗の言い方が…今までみたいじゃない…
なんで…?なんでわたし…こんなに焦ってるの?

「そうなんだ…よかったね。仲間がいて。」

「おう。おんなじ夢…持ってるやつって…話が合うよな。」

「え?」

歩きながら、わたしの胸の奥はザワザワして…全く止まらなかった。

どうして?
碧斗…

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