恋するオオカミ〜不器用だけと一途なんだよ!

まゆりが一番前を歩いていたけど、ちょうどいい場所があったから座って花火見ようって言い出した。

6人ちょうど座れそうなスペースと天然の石のベンチ。

まゆりとわたしと男子2人は大きな石に4人で腰掛けた。
けど、結局ナミたちまで座るスペースがなく、ナミたちは別の石に2人で座った。

見るからに、あの男子はナミを狙ってるなと思った。
ナミかわいいし、学校ではカレシ持ちなんて誰も知らないし。そりゃぁ狙われるよね。

「ねぇ杏。ナミ…知ってる?今喧嘩中って。」

ぼそっととなりでまゆりがつぶやいた。

「え?ほんと?知らない。」

まゆりを見るとコクコクと2回うなずいた。

それでなのか…花火大会行くのも思いっきりおしゃれしてとか言ってたのは喧嘩中だったしむしゃくしゃしてたのかもしれない。

今もなんだかカラ元気に楽しそうに笑ってるように見えた。

ほんとは小笠原くんと来たかったんだろうけど…。

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