恋するオオカミ〜不器用だけと一途なんだよ!
そのうち花火の第一次ピークがやってきた。
ズドンズドンと地響きがなりひびく。

思い出すなぁ…
碧斗とお父さんとおばさんと来た花火。

碧斗とわたしがこの花火のなかはぐれてしまって、2人で泣きそうになりながらも駅前までたどりつき、なんとかお父さんとおばさんに会えたのだ。

碧斗。覚えてるかな…



第1回のピークが過ぎたころだった。

突然、人込みをかき分けて、現れた男性がナミの前にやってきて立ちはだかった。

あ…小笠原くん…。

「ナミ。帰るぞ。」

ナミの手をひっぱり立ち上がらせた。

「なによ!将輝なんて嫌いだし、帰ってよ!」

ナミはそういって反論した。

「え?将輝?」

となりで小声でギョッとしてるのはまゆり。
わたしがはじめてみたときと同じ反応…。

そうそう。びっくりするよね。このギャップ…。

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