恋するオオカミ〜不器用だけと一途なんだよ!
「それは…」

杏はまた嬉しいのか悲しいのかわからない表情をした。

「おめでとう。いつか…するとは思ってたけど…」

「ああ…いつすんだろって…もうしねぇのかなって思ってたとこだったよ。俺もそれは祝福する。」

「2人ともありがとう。」

「ああ、よろしくな。オヤジ。」

俺は新しいオヤジとバシッと握手した。

「杏。」

「はい。」

「お母さんの旦那さんの瀬田さんのもとで修行したいなら、お父さんは止めない。実のところはその話はお母さんから聞いてた。杏が将来の目標をそこでみつけられたのならそんな嬉しいことはないからな。ただ…杏の帰る場所は…ここだからな。それだけだ。」

「お父さん…ありがとう。」

杏はちょっとばかし嬉しそうな表情をした。

「さて…と。引越しだな。」

「は?」

なんだと?

「あたりまえだろ?結婚するのにここにいるのはいろいろと近所のこともあるからまずい。今マンション探してるとこだ。」

「マジかよ。」

「マジだよ。」


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