恋するオオカミ〜不器用だけと一途なんだよ!
「おう。そうだな。いつでも勉強見てやれるしな。」

「ご飯だよってLINEしなくてもいいしね。」

「そう…だな。」

これって…もしかして…俺…杏に…言ってもいい流れなのか?

『好きだ』って…告っても…?

そしたらけたたましく鳴るスマホが俺をはっと我に返らせた。

スマホは杏の横のサイドテーブルに置いてあった。

杏がチラッとスマホの画面を見て、

「碧斗、電話だよ。」

と言った。
心なしか声が冷たく感じた。

食器拭きを中断して、スマホを手に取る。

なんだよ?こんなときに…。美紗都かよ?

『はい。何?』

ぶっきらぼうに電話に出たら、つまらない宿題の質問だった。
そんなもんお前でできるだろうに。めんどくせーやつ…

と思って、電話終わってキッチン見たけど…杏はもう、部屋に引き上げていた。

ふん…
電話なんて…かけてくんなって…。

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