恋するオオカミ〜不器用だけと一途なんだよ!
「碧斗…もっと…ギュッてして…」

「え?」

ちょっと照れたように笑った碧斗は…もう一回ギュッて抱きしめて、それで、わたしの頭に手を置いて、目をつむったわたしに…


とてもあったかいキスをした。


「杏…」


そのあともくり返すキスはどんどんエスカレートして…それでもやめられなくて…

最初に碧斗にキスをされた時、屈辱的だと思ったのだけれど…

けれど…そのときから、わたしは碧斗を体の奥では求めていたのだと思う。
だって…こんなに心地いい…
さっきの…京太郎のときの嫌悪感とは全然違う…。


何度かキスして…ちょっと落ち着いたわたしたちは、そのままベンチに座っていた。

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